2009年7月26日日曜日

残してほしい郵便ポスト


日曜日の午前中なので家でゴロゴロしていたら、暑さのせいか急になんか冷たいものが飲みたくなった。で近くのコンビニに清涼飲料を買いに行った。

コンビニには車が四台ほど止められる小さな駐車場がある。そして駐車場の前の歩道部分には郵便ポストが設置されている。最近の標準タイプの四角い金属製のやつではなく、昔ながらの鋳物だか瀬戸物だかで作られた丸いやつだ。

くびれのない寸胴の胴体の上には丸い帽子のような屋根というか天蓋が乗っかっていて、胴体には横長の四角い投函口が少し間抜けな感じで口を開けている。

投函口の上にはまるで学生帽の鍔のような庇が付いているので、まるで学生帽を目深にかぶって突っ立っている寸胴の人間のようでもある。

雨の日も風の日も、暑い日も寒い日も直立不動でじっと立っているその姿は、実直で律義で真面目な番兵のようにも見えてくる。

全体は神社の鳥居の朱色に似た赤いペンキが塗られているから、街中でも案外存在感がある。少し距離を取って見ると、そのたたずまいは「オールウェイズ三丁目の夕日」的でなかなか味わいがある。

道路拡幅によって、街並みが鉄とガラスとコンクリートが織りなす直線的で無機的なものへと変化していくなかで、なんとなく時代から取り残されたような、でもなぜかほっとした気分にさせる昔ながらの赤い丸い郵便ポスト。

懐古趣味かもしれないけれど、これからも残してほしいと思ってしまう。

こういう赤い丸いポストには、本文も宛名もパソコンで打ち込み、プリンターで印刷したような郵便物ではなく、心を込めて自筆でしたためた手書きの封書や葉書を投函したくなる。

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