2009年8月14日金曜日

キャットストリートを歩く



表参道や原宿周辺には、歩いて楽しい横道、裏道、路地がたくさんある。自分のお気に入りは渋谷宮下公園脇で明治通りから枝分かれして表参道に至り、その先は千駄ヶ谷方面へと続く通称キャットストリート。

道幅は7~8mくらいの歩行者専用道路で、表参道との交差は信号や横断歩道がないため、表参道をそのまま突っ切って先に行くことは出来ない。                                       
キャットストリートというのはあくまで通称。正式には旧渋谷川遊歩道という。1964年に旧渋谷川の暗渠の上に造られた道で、おそらく1990年代の初めころからキャットストリートと呼ばれるようになった。

元が川筋だったところに造られた道なので、直線部分も土木技術者が定規で引いたような感じがなく、また、道と両側の家並みの位置関係がなんとも不思議な間合いだったりするのも面白い。

もっぱら人が歩くための、それものんびりブラブラと歩くための遊歩道として整備されてきた道なので、一定の間隔で休憩コーナーのような場所を設けるなど歩行者のためのちょっとした仕掛けが随所にあるのもありがたい。

実際にこの道を歩いている人のスピードを観察してみると、設計者の狙い通りほとんどの人がのんびり、ゆっくり、まさに楽しむように歩いている。

道の両側にはブティック、ファッション雑貨、スニーカー専門店、ヘアサロン、レストラン、カフェなどが程良い密度で店を構えているが、内装や外装にこだわりを持った個性的な店も多く、道路景観としてもオシャレトカイチックでなかなか良い。

表参道や竹下通りなどと比べると歩いている人の数はぐっと少ないが、これは国内各地や海外からの観光客があまり入り込んでこないからで、ブラブラ歩きをするにはちょうど良い歩行者密度だ。

郊外部に多い自然たっぷりの遊歩道も良いが、原宿などの都心部ではこういう遊歩道もアリなのかなと思う。

ところで、このキャットストリートは横道や裏道が何本も交差している。こうした横道や裏道に入り込み、奥へと歩いて行くと『こんなところにこんな店が』といった発見や驚きがしばしばあり、これがまた面白い。

表参道沿いなどと違ってテナント賃料や保証金がだいぶ安くなるため、商業ベンチャーの生息地みたいになっているのだろう。

表参道や原宿の裏道、横道、路地裏などをウロウロしていると、繰り返し行きたくなる楽しい街とは、横道、裏道、路地裏が面白い街なのだということを改めて確信する。

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